情報処理試験受験記と合格のメリット
今年度の情報処理試験について、ITサービスマネージャを受験することに。
そこで、過去の情報処理試験受験記と実体験に基づく合格のメリットについて触れてみる。
①ノー興味期
自分がIT業界で仕事をし始めたのが、2002年ごろ。
入社した会社が典型的な、特定派遣事業主たる弱小ソフトハウスだったため、
日々、元請け企業からの下請け仕事(プログラミングや構築・保守)のための
スキルを磨くために、情報処理試験などには、興味なし。
会社からも、情報処理試験の受験は強制されず、受験しても、特別な特典などはなかったため、
受験しないことに特別何も感じることはなかった時期。
この時点で、情報処理資格は一つもなし。
ただし、仕事を通じて、JavaやOracle・Cisco製品などは学習していたため、
下記のようなベンダー試験を受験していた。
②転職期
7年程度、経験を積み、転職について頭をよぎるようになる。 その過程で、行われた入社面接で、基本情報を含む情報処理資格を一つも保持していないことを軽く指摘してきた会社はあった。(現在の会社の入社面接でも指摘を受けた気がする)
③ヤバいぞ期
現在の会社に入社。その際に、はじめて昇進要件として情報処理資格の保持が義務付けられていることを知る。
それだけ、情報処理試験を重視しているため、入社時点では以下の図式が自分の立場上、当てはまっていた。
7年経験のある情報処理資格を持っていない自分 < 経験はないが基本情報を持っている新人
さすがに、ヤバいと感じた自分は、情報処理試験を真剣にとらえらるようになったのがこの頃。(当時30歳頃)
経験が浅いうちは、まずは基本情報を受験となるところだが、なまじ経験があったため、 基礎とされる基本情報を受験すること(正確には基本情報を受験し、不合格となること)について、 へんなプライドが働き、当時、インフラ部門に在籍していたことから、ネットワークスペシャリストの合格に本丸としながらも、秋季しかないため、秋季ネットワークスペシャリスト・春期セキュリティスペシャリストという受験計画を立てていた。
④暗黒期
当初簡単に合格できると思っていた情報処理試験も受験してみるとなかなか合格できないことを痛感したのがこの時期。ネットワークスペシャリスト・セキュリティスペシャリストの両立を考えていたがセキュリティスペシャリストすら合格できない現状に、まずは、セキュリティスペシャリスト一本の受験に絞ることに。
結果的に、セキュリティスペシャリストは4回不合格。 うち、午後Ⅱの試験で、あと1点という状況が2回続くとう結果に。 勉強すれど不合格となる現状にさすがに心が折れそうになったのがこの時期。
⑤やっと合格期
数えて、5回目の試験。確か2013年秋季で念願のセキュリティスペシャリストに合格。 合格のうれしさよりも、やっと前に進めるという安ど感が支配したのを覚えている。 これで、会社上の評価も立場もなんとか、体裁を保てるようになった。 このころから、どこか斜に見ていた情報処理試験について、正当に向き合えるようになってきたのを 覚えている。
⑥ブレークスルー期
セキュリティスペシャリスト合格を受け、ネットワークスペシャリストの受験に切り替える。
2回は不合格となったもの、3回目(2015年秋季)で無事合格。
取り急ぎ、最も目指していたスペシャリスト系の試験に合格することができた。
合格のメリット
情報処理試験について、語るとき必ず、
「情報処理試験なんて役に立たない」
ということを聞くことがある。過去情報処理試験否定派だったこともあるので、それについて半分ぐらいは正しいと思う反面、改めて感じのは、
「決して、直接業務につながることはないかもしれないが、間接的には必ず業務の役に立つ」
ということだ。実際に、移行計画などは情報処理試験の参考書や過去問題を読み返したこともあるし、受験の過程で学んだ知識が役に立っていることを実感することは結構あるものである。
また、情報処理試験というのは、「名刺」みたいなもので、自分のエンジニアとしてのなりを伝えるのにとりあえず最も手っ取り早いものであるとは思う。
いまでは、ブログ・GitHubなど初対面の人にエンジニアとしてのなりを伝える方法はたくさんあり、それらが有用であることは否定のしようがないものの、先進的でない一般的な会社で、特に偉い立場にある人に対しては、情報処理試験というは、ある一定の評価軸としてはいまだ強力な説得力があるものと感じる。
であるから、情報処理試験については、持っていることで損することはないため、受験できるのなら受験(そして合格を目指し)し、合格した暁にはそれに見合うだけの実務能力を実際の現場で磨いていくことが大事になるのだと思う。